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縁 農
甲賀市シルバー人材センターの農場を視察しました
1.ねらい
訪問先のシルバー人材センター(以下SCと)は、地域の耕作放棄地や会員所有の畑を利用し、シルバー人材センター産の有機堆肥を使用した栽培でブランドである甲賀野菜を会員が栽培し、JA や他のSC と連携して販売している。
この先進的な仕組みと体制などを調査し、松山市SC の農業を推進する体制構築に反映する。
2.視察日
平成27年3 月3 日(火曜日)午前 9時~12時
3.場所及び視察先担当者
甲賀市水口町名坂830-1
●公益社団法人 甲賀市シルバー人材センター
視察 内容
会議室にて、甲賀市SC の運営状況説明の後、販売と農場の特徴説明
を受ける。松山市SC で準備した質問書への質疑を実施した。
現場視察は、数か所の圃場の案内を受ける。
(ア) 甲賀市SCの農産業に取り組む体制状況
会員主体で栽培し、会員がJA などに販売している。
水口ブランドのカンピョウの製品化し、販売する。
JA や行政機関の農業指導で、栽培している。
米でなく野菜つくりに絞っている。
(カンピョウ、ホワイト6片にんにく、カボチャ、さつまいも、ネギ、
ブロッコリー)
運営は、会員主導体制であり、グループ制とし、各リーダーがSC との情
報交換や、人集めもしている。
自産の剪定くず堆肥をSC 圃場で使用するだけでなく、外販もしている。
(イ) 剪定くず堆肥の運営
地元に本社のある「島本微生物農法」の方法を採用し、剪定くずをチップ
化、完熟堆肥になるまで2 か月と短期の堆肥つくりを実践している。
設備:公共の土地を利用し、甲賀SC 所有のチッパーとホイルローダーや
袋詰め機を備えている。ハード購入は、継続事業で賄っている。
作業員:SC 会員で、単発的に対応している。
生産量:年間3000 袋である。1 回で500 袋の生産能力。
販売: 会員向けや一般向けにも販売している。
(ウ) 甲賀野菜ブランドの販売
地域ブランドの甲賀野菜を、会員たちが栽培し、主にJA 系直販店にて
販売している。もちろんSC でも販売している。
栽培品はカンピョウ、ホワイト6片にんにく、カボチャ、さつまいも、
ネギ、ブロッコリー、ニンジンなど取り扱っている。
規格外品などは、料理教室向けとしている。
さつまいもは、イベント用としている。
(ウ) カンピョウの販売
会員が、栽培しており、混植や敷き藁など管理作業で挑戦している。
加工:カンピョウを切る機械を導入し、効率化を計っている。乾燥は、1
日と早く、収穫量は干物ベースで、40Kg である為、物流コストを抑えら
れる。
くずカンピョウと製品カンピョウの2 種で販売している。
農分野での先進地視察先として、柏崎市シルバー人材センター及び甲賀市シルバー人材センターを訪問し、有意義な視点ができた。シルバー人材センター(以下SC と称する)が、農事業を取り組むにあたり、SC が農地利用で収益目標とするならば、農地での利用権設定する必要がある。一方SC は、農地活用での収益を会員の生きがい活動を主体にするのであれば、利用権設定は不要である。ただし共通項は、会員が地主である事でした。
農家からの情報を得るには、県や市の農業部署と情報交換を密にする事が必要であった。農産物の品質向上に官庁やJA と連携しており、両SC ともに除草剤の使用は禁じ、化成肥料や有機肥料・減農薬に取り組んでいた。
農園は、集いの場所にもなっており、多くの女性参加しているのが、特徴であった。農地のある拠点つくりは、生きがいの場になり、両農場とも会員の収益につながっていた。栽培には、有機資材が投入できるよう堆肥つくりや残渣利用など、資材循環の仕組みを取り入れていた。
柏崎市SC の販売拠点の「やまゆり」は、80歳くらいの方の販売員もおり、憩いの場、生きがいの場になり、報酬はボランティアであるが、クーポン券の仕組みを取り入れ、わずかであるが還元している。販売員の負担を軽減して、強度の責任を持たせない販売体制を構築していた。さらに、農場との連携も重要であった。販売品目で、山菜に人気である傾向は、販売拠点の活動をさらに活発化していた。
地域ブランドに注目した栽培品目に絞っており、一方で地域活性の活動も担っていました。
松山市SCの取り組みも長い年月の歴史の中で、ブランド品の取扱いも可能になるかもしれない。
他のSCが「農」分野に取り組んでから、年月をかけている事実は、人的資源や投資など多くの試行錯誤・チャンスの歴史の中で仕組みができている。松山市SCでも今後、多くの課題に取り組みながら遂行できる体制つくりが求められている。








